現実に戻る、いつもの景色にいつもの心情だが、台風の高湿度。はるか遠くからは黒く低い雲が、じわじわと近寄ってくる、大抵所沢方面である。、ほれみろと、ぽつりぽつりがザーザーぶりとなるのは必須で、クロスバイクたち漕ぎで向かう日々が続いている。
そんな道中、久しぶりにパンドラの箱、そこには無造作に不用品が詰め込まれ、「ご自由にどうぞ」とある箱と遭遇する。ん、確かに不要となるだろう、そして役目を終えた、役目のない品物が所狭しと詰め込まれている。額縁、フォーク類、栓抜き、雨合羽、、、どれもくたびれているのだが、それすらも捨てれないのは世代間か、リサイクル意識の高まりか。大抵の人はスルーするところだが、この悪天候時でもついつい足を止めてしまう自分、そう、時折面白いものも混ざっていることがあり、嫌いでない。
と、今回見つけてきたのはこの「カセットパンチ」なる当時1000円もする、不思議なカセットテープである。正直、再生する気にもならないそれだが、、大手ファ三レスの「G」のシールが貼ってある。ファ三レスのあのレジ横の購買は実に不思議なエリアでいて、会計まちの際になんか、ついつい見てしまうもの。子供を誘惑するような品々も多く、見ていれば駄々こね泣き叫ぶ子供も多い。そんな中に売られていたのだろう「カセットパンチ」、裏を見れば1995年とある。
90年代前半~半ばには「うんこのにおいがする香水」とかスケベな商品を「ジョーク商品」と称して、町はずれのディスカウントショップでよく売られていた。ディスカウントショップは2000年代には大手ディスカウント「D」に淘汰されてしまい、町はずれのそうした店は続々と消えていったが、、バブルはじけて最後の「遊び心」だったのかもわからない。「それをしようとも思わない」といった趣旨の物が多かった。聴こうとは思わなくも、トマソンとかしたそれに親近感を覚えて、貰って来たのでいた。
ま、それはそうと先輩Sと一緒に採集したノコギリクワガタはいまだ健在でいて、ピンピンしている。もう2か月になるが、けんか相手がいないのと毎日面倒見ているのが功を奏したか、今でもピンピンしていると、うれしくなるもの。2023年夏の置き土産、年を越せないクワガタと、今を一緒に生きている自分。人間より年を取るのが早い「犬」のその命の「尺」の違いに似ている。仕事もあり、今年の採集は1度きりしか行けなかった。本業の蝶も旅行がてらにちょっと採集したのみで、なかなかに時間が割けない。もう「あれだけ採集したのだからいいだろう」そんな天の声がしてくるような、しないような。
日々経過してゆくのが20代の倍以上とは誰が言ったことか。この瞬間も過去となる。



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